思いやり集会
校長の稲吉です。
本日、「思いやり集会」を低学年・中学年・高学年ごとに行いました。
毎年、この時期に行っていますが、その名の通り、子供たちに自分の周りの存在を大切にし、思いやりの気持ちを育むことを目指しています。
以下、少し長くなりますが、本日の様子です。
低学年は、「誰とでも仲良くするために大切なことは何だろう」をテーマに考えました。
『ともだちほしいな おおかみくん』の絵本をもとに、オオカミや他の動物に自分を置き換えて、みんなで仲良くするためにはどうすればよいのかを考えました。
(子供の感想:抜粋)
・おおかみくんがやさしいとおもった。じぶんがどうぶつだったら、やさしくする。いっしょにあそうぼうという。おおかみくんがないていたら、ともだちになってあげる。
・おおかみがかわいそうだから、なかよくする。
・いじめはだめだし、かってにきめつけてもダメだとわかりました。
中学年は、「みんなが気持ちよく過ごすためには、どうしたらよいだろう」をテーマに考えました。
普段、よく行っているドッジボールのボールの片づけをいつも頼まれる自分や頼む相手の気持ちを通して、どのような行動をするべきなのかを考えました。
(子供の感想:抜粋)
・私は「アサート(相手に分かってもらう)タイプ」になりたい。「ガッツン(自分の気持ちを強く伝える)タイプ」だったら心が冷たくて友達じゃなくなっちゃうかもしれない。
・私は「アサートタイプ」になりたい。自分の気持ちも伝わって、それを「ガッツンタイプ」とちがってやさしく伝えることができるからです。
高学年は、「どうしら、いじめから自分たちを守れるのだろうか」をテーマに考えました。
芸能人の中川翔子さんのいじめを受けた体験談や大渓先生の子供のころに教育実習の先生から聞いた話から、もし、いじめられていた時、どうしたら自分は生きていくことができるのか、何があったら生きていけるのかを考えました。
(子供の感想:抜粋)
・私が、もし、いじめにあったら、先生や大人に相談するといいと思いました。理由は、相談すれば、助けてくれたり、味方になってくれたりするからです。もし、いじめられている子がいたら、支えてあげたいです。気づけるか少し心配だけど、できる限り気づいて、つきそってあげられるといいと思います。勇気を出せるようになりたいです。
・見ているだけをなくすのが大切だと思います。見ているだけの人がいじめられている子を助ければ、その子が自殺するなどのことはなくなると思うからです。でも、そのためには勇気が必要なので、その勇気を出せるようにがんばりたいです。
ここに記載したのはあくまでも一部です。
ぜひ、お子様に本日の集会の様子やお子様がどのように考えたのかを話題にしていただき、ご家庭でも考えるきっかけとしていただければと思います。
本校は、小規模校であるよさでありながらも、クラス替えがなく、固定化された人間関係が形成されがちな傾向もあります。子供たちの中に、友達を見る目が、接する態度が、固定化されてしまう「よくない当たり前」が生まれがちであることも確かです。
そうならないように私たち大人が、子供のあらゆる生活の中で、一人一人の活躍の場を保証し、子供が互いに認め合える場を作ったり、尊重し合う心を育てたりしていくことが大切だと考えています。
今日の集会に限らず、日頃の子供たちの生活の中で、様々な事象をとらえて、子供たちに「思いやり」を考えさせる経験を積み重ねていきたいと思います。
高学年の集会後、次の中学年のために教師が床にマットを引こうとしていたら、「それは私たちがやります」とすっと近づいてきて、当たり前のようにやってくれた6年生の姿がありました。
こういった姿も「おもいやり」の表れだと感じました。
寒い体育館の中で、温かい気持ちになりました。